定点調査とは?

  同一の調査地点における状況を確認・記録し、集積データの分布や、変化などを調べる調査方法を定点調査といいます。
  水棲環境研究会が行っている定点調査は、定期的(1回/月)に、静岡市内の定められた調査地点(川・海)に行き、生物の採集による個体数・大きさの計測や、水温・pH・CODなどの環境の指標となるデータの測定をしています。 それらを元に調査地点の生物や環境の変化を分析、考察することを目的としています。


調査に必要な道具
採取のための網、魚を入れる容器、ウェーダー(川に入るために履く、胴付長靴)、pH測定器、水温計、COD測定器などを使用しています。海では釣りによる調査を行うので、ウェーダーがない代わりに、釣り具が入り、比重計も追加されます。
測定器の使い方
pH(水素イオン指数)とは、0〜14までの値があり、低いほど酸性、高いほどアルカリ性となる。7だと中性です。
COD(学的酸素要求量)とは、水質汚濁の指標の1つであり、酸化剤で酸化される有機物などの物質がどのくらい含まれるかを、消費される酸化剤の量を酸素の量に換算し示した値である。(単位:mg/L) 値が大きいほど水中の有機物は多いことになり、汚濁の程度も大きいといえます。
二つとも試薬の色の変化で測定しています。

結果
@新川

清水病院の前を流れている小さな川で、東海大学から最も近い調査地点です。
ヨシノボリ、ウキゴリなどが多く見られ、春はシロウオが産卵のため遡上し秋〜冬にかけてはアユカケ、晩秋にはボウズハゼが見られるなど定点調査を行うことで季節の変化も観察できる河川です。
2011年 4月 6月 10月
2012年 4月 5月 6月 10月 12月
2013年 2月 3月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 1月 2月 3月 4月 5月 6月

A大沢川

住宅地の中を流れている河川。オイカワが多く、ブラックバスやブルーギル、カムルチーなどの外来種も確認されています。
2010年 1月 5月(1) 5月(2) 6月 7月 9月
2011年4月 6月 10月
2012年4月 5月 6月 10月 12月
2013年1月 2月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 1月 2月 3月 4月 5月

B麻機遊水地

巴川での洪水を軽減させるための遊水地。モツゴ、スジエビ類、カムルチー、タイリクバラタナゴ、スッポンなどが見られます。
2012年4月 5月 6月 7月 10月 12月
2013年1月 2月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 1月 2月 3月 4月 5月

C塩田川

住宅地と山に挟まれた川であり、オイカワがよく見られます。春にはナマズの産卵が見られることも。運が良ければ見られるかもしれませんね。
2010年1月 4月 5月 12月
2011年2月 3月 4月(1) 4月(2)
2012年4月 5月 6月 7月 10月 12月
2013年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 1月 2月 3月 4月 5月

D吉田川

山間部を流れている川で、他の調査地点に比べると周りに自然のままの環境が多いです。
アブラハヤ、ヨシノボリ類、人工放流により定着したアマゴなどを採集することができます。ホトケドジョウ、サワガニ、アカハライモリなど他の調査地点では見かけない生物も確認することができます。
2010年1月 4月 5月 7月 12月
2011年2月 3月 4月 10月(1) 10月(2)
2012年4月 5月 6月 7月 10月 12月
2013年2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 1月 2月 3月 4月 5月

E庵原川

河口付近で調査を行うため、潮の干満によっての影響を受け水深が変わります。河川域の定点調査地点内で最も多くの魚種が確認できています。
アユ、ウナギ、ボラ、ハゼ類、ヨウジウオ類や、少し川を上ると、オイカワ、ギンブナ、ナマズなどが見られます。
2010年6月 8月 10月 12月
2011年6月 10月
2012年5月 10月
2013年6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 2月 3月 4月 5月 6月

F興津川

河口地点では主に、アユ、ボラ、チチブ、ウナギ、ウキゴリなどが多く見られます。季節によってはアユカケ、ヨウジウオが見られます。
中流地点では、アブラハヤ、カワムツが多く、カマツカなど他の調査地点ではあまり見られない魚もいます。
2011年6月(1) 6月(2) 10月(1) 10月(2)
2013年6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月


Gドリームプラザ裏

海の調査地点です、採集方法は主に釣りです。
主にハゼ・ベラの仲間、メジナなどが釣れます。初夏になると流れ藻が漂着し、ハナオコゼやソウシハギなど流れ藻を住み家にしている様々な生き物を観察することができます。
2011年2月 4月(1) 4月(2) 6月
2012年4月 5月 6月 10月 12月
2013年1月 2月 3月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 1月 2月 3月 4月 5月

H真崎灯台周辺

海の調査地点であり、採集方法は主に投げ釣りで、波打ち際から数mはゴロタ場でカサゴ、ハオコゼ、カエルアンコウ、オオモンハタ、マダコなど岩場を好む生物が見られます。
それ以降は砂地が続いており、キュウセン、シロギス、ヒラメ、ハナハゼなど砂地を好む魚が見られます。
2012年4月 5月 6月 10月 12月
2013年1月 2月 3月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2014年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2015年 1月 2月 3月 4月


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