合宿
日時:8月27日〜8月31日
場所:静岡県賀茂郡南伊豆町


毎年恒例の夏合宿です!
今年は参加者多数のため、前半・後半に分けて合宿を行いました。



 
釣り班・磯班(手持ち網による採集)・銛班に分けて、綺麗な伊豆の海で魚たちを採集しました。
※銛は許可を得て使用しています。
 
左:カミソリウオ 右:サザナミフグとそれに戯れるKくん

 
 
採集の他にも、海の幸を使った民宿のおいしい料理や花火、宴会、スイカ割りといったお楽しみもたくさんありました!


また、地元漁師の方に、漁の見学をさせて頂きました。




結果報告


それぞれの方法で採集した生物や、周辺の環境の様子はしっかり記録します。以下がその結果となります。


※釣り班のA,B地点と、磯・銛班のA,B地点は場所が異なります。

◆釣り班◆

A地点


考察

・27日(午後)
はじめは波が穏やかで水底がよく見えたが少しずつ波が立ってきて見えづらくなった。
目視でハコフグとボラを発見した。
マダイは未だ幼魚サイズであり、堤防に集まる稚魚やエビ類を捕食すると考えられる。さらに、今年はまだマダイの放流が行われていないことから天然個体と考えられる。

・28日(午前)
透明度が高く、底まではっきりと見え非常に美しい伊豆の海だった。しかし魚種、個体数ともに少なかった。
昨日と同じくイワシの群れはあったが、それをエサとしている大きな魚は見られなかった。

・28日(午後)
全体的に生物が少なかった。何らかの環境の変化が関わっているのではないか?
前日の同地点での調査時よりも波が高く、生物の目視が困難であった。
小魚の群れがいなくなっており、他の場所に移動したのではないかと考えられる。

・29日(午後)
多種多様の魚を目視することができたが、釣れる魚はベラがほとんどだった。
魚が群れていたが、単体で泳いでいる魚は岸壁側にいた。
風が強く、海面が波立っていて、水中がよく見えなかった。
ハギ、フグなどのエサ取りが多くみられた。

・30日(午前)
ある程度流れが速いからか、遊泳能力が高い魚が多い。逆に風裏では遊泳能力の低いカワハギが多かった。
大型の魚が見られなかった。
台風の影響か、波が高かった。

・30日(午後)
風が強く、うねりが強かった。そして、透明度が低かった。午前中に比べて目視できる魚が少なかった。しかし、堤防内はうねりがなく穏やかで、魚の数が多かった。
堤防付近には小魚しか釣れなかった。

B地点


考察

・27日(午後)
テトラポットの間にイシモチ、ネンブツダイなどの小型の魚が多かった。
岸壁側にアカエイや多種多様の魚が目視で確認できたが、エサを探し、回遊していたと思われる。
海の状況は、波もなく穏やかで、昨日の雨の影響は少ないと感じた。

・28日(午前)
外湾に面していないので、大気の影響を受けず、前日と生物の種に大きな変化がなかったと思われる。
波の状況は、昨日と比較するとうねりが少なかった。
引き潮だったため釣れる量が少なかった。

・28日(午後)
テトラポットの裏側にはサイズの大きい魚が居ついており、岸壁側ではサイズの小さい魚、回遊魚が見られた。イワシの群れがいたのも魚の活性を高めたのではと考える。
午前中と比べて透明度が上がり、底の様子も見られた。午後になって潮の満ち引きの影響を受けなかったためと思われる。

・29日(午後)
風の割に波は穏やかだったが、透明度は低かった。
スズキの大群、イシダイ、カワハギが目視できた。

・30日(午前)
うねりが強く、透明度が低かった。
小魚の群れ、大型の魚、イシダイ、カワハギが多くみられた。しかし堤防の外には魚があまり見られなかった。

・30日(午後)
透明度は高く、波は穏やかで、台風の影響はあまり受けていないように感じたが、濁っていたため、臭いの強いイソメでよく釣れた。
カサゴの切り身では臭いがないためあまり釣れなかった。
魚は、イシダイが多くみられた。
また、大きなサイズのタカノハダイが釣れた。


◆磯班◆

A地点


考察

・27日(午後)
チョウチョウウオが穴の多くある岩の周りに多く生息していた。隠れ家として使っていると思われる。
昨年に比べ、ソラスズメダイのサイズが大きいものが多かった。
また、ノコギリガザミは雌ばかりで雄があまり見なかった。
波が高く、濁りが強かった。台風が近づいていたためと考えられる。

・28日(午前)
表層が暖かく、透明度が高かった。
波が穏やかでイワシが群れていた。
多くの魚が目視できた。

・28日(午後)
イワシの群れがいた。これは、大型の魚が近づいてきているからではないかと考える。
沖に行くと、オジサンなどの無効分散の魚が多く見られた。岩などがあり、隠れる場所が多くあるからだと考えられる。

・29日(午後)
潮の流れが速かった。台風の影響だと考えられる。
透明度は高かった。
ソラスズメダイなどの元々いる魚は多く見られたが、無効分散系の魚は少なかった。

・30日(午前)
波打ち際から一定の所までは、ひどく濁っていたが、奥へ行くにつれ透明度が高くなった。
浅いところから沖まで大小様々な魚が見られた。

・30日(午後)
砂浜付近は波の影響で透明度がとても低かったが沖の方は透明度が高かった。
イワシが群れていて、その付近には、カマスやダツの群れが確認できた。
全体的に見て、魚の姿があまりなかった。

B地点


考察
・27日(午後)
透明度が悪かった。
テトラポッドの間にソラスズメが群れになって泳いでいた。
チョウチョウウオなどは少し深いところにおり、クロユリハゼが穴を隠れ家に群れで隠れていた。

・28日(午前)
透明度は1m20pくらいだった。
ソラスズメはサイズの大きい個体が多かった。
岩の隙間が多く、採集には向いていないが、魚の種類数が多い。
敷き岩のところではハゼやタナバタウオなど石の隙間に隠れる魚が多かった。

・28日(午後)
水草の中にさまざまな生物が生息していた。
椀の中のためか、前半組が巻き上げたためか、水が少し濁っていた。
夜行性のゴンズイが岩の間に玉になっていた。コケウツボ、ウツボ、クエ等が見られたため、夜行性の生物の隠れ家としてよく利用されている環境なのではないかと考えられる。

・29日(午後)
昨日より濁りがなく視界が良くなった。
ベラが少なかった。
懸濁物が多い。
アオリイカの幼体が見られた。

・30日(午前)
透明度、水温共に低かった。
波が高く、潮の流れが速かった。これは、台風の影響だろう。
ソラスズメ、ニジギンポが多くみられ、どちらも稚魚がたくさんいた。
アミメハギの群れが多くみられ、テトラポットの間にソラスズメがいた。

・30日(午後)
釣り人がいたため、磯A班と合流。

C地点


考察

・27日(午後)
先日の雨の影響か、にごりがひどかった。
去年に比べ、ソラスズメの数が少ない。
チョウチョウウオのサイズが去年より小さかった。
川の水が流れ込んでいる影響か水面付近の視界が悪かった。

・28日(午前)
水温は低く、にごりが見られた。
昨年に比べてソラスズメの数が減っていた。
川の近くなので表層がにごり、落ち葉等のゴミも多かった。海底には泥がたまっていた。
タコクラゲが多く見られた。

・28日(午後)
川が近いため、浜辺付近の水面がもやもやしていて、透明度も悪く、見にくかった。
しかし、波は穏やかであった。
魚がウニやガンガゼのトゲの間に入り込んでいた。
クラゲの数が少なかった。
岩の隙間が多いため、魚を追いかけるとその隙間に逃げ込み、捕獲しにくい。
所々にミドリイシがあり、チョウチョウウオの住処になっていた。

・29日(午後)
キュウセン、ハギが浅瀬で多く見られた。ハコフグも見かけた。
表層の方は水温が高かったが、下の方は水温が低くなっていた。
透明度は悪かった。
水深4〜5mくらいのところに大きなボラやアミメハギがたくさんいた。
真崎に比べ、透明度がとても高かった。
ガンガゼが多いところにチョウチョウウオが多かった。
小魚を追いかけるようにカマスの群れが見られた。

・30日(午前)
台風の影響か潮の流れがはやく、うねりがあったが、透明度が高く、底もよく見えた。
カサゴの胃の中にはコノハガ二やオウギガ二が確認できたことから、甲殻類を食べていると思われる。
波が強かったため、魚は岩場に寄っていた。

・30日(午後)
台風の接近の影響か、波が高く、うねりが大きかった。そのため、にごりがひどかった。
採りすぎ、もしくは流れが強いためチョウチョウウオの数が減った。


◆銛班◆

A地点


考察

・27日(午後)
台風の影響か潮の流れが速く、波が高かったため、少し水に濁りがあり、魚を目視することが困難だった。
大きなカサゴなどは大きな岩の下や影に隠れていることが多かった。

・28日(午前)
前日に比べ透明度が高くなっており、目視でイワシの群れが見られた。

・28日(午後)
人の手が入ってないところほど大きな魚がいた。
浅瀬のサンゴ付近に多くの魚が見られた。
ボラが多くみられ、稚魚の群れも確認できた。

・29日(午後)
深いところにサバかソウダガツオと思われる群れを確認した。しかしイワシの群れは見られなかった。
アスレチック付近は人が多いため濁っていたが、離れるにつれ濁りは少なくなった。
大きな岩の付近ではボラなどの大型魚がエサをついばんでいた。

・30日(午前)
波の影響があり、うねりが強く、浅瀬は濁りがひどかった。
沖からの波が湾内にとどまり、岸辺だけ非常に濁っていた。
イワシの群れが目視できた。

・30日(午後)
波が強く、それによって砂が舞い上がって、透明度が低かった。

B地点


考察

27日(午後)
前日の雨の影響か、濁りがひどく魚が見えにくかった。また、潮が満ちてきたこともその原因だと考えられる。
チョウチョウウオの仲間のサイズは全体的に小さく、カサゴが少なかった。
イカの幼生が目視できた。

・28日(午前)
後半から波が出てきたため、濁りが出てきた。
チョウチョウウオの仲間はサンゴの近くで見ることができた。
イワシの群れがあり、それをエサとする大型魚や魚食性の高いカマスなどが多く見られた。

・28日(午後)
海底付近が濁っていた。
昨日よりもタコクラゲの数が少なかった。
岩肌の所に大型の魚が見られた。
シマハタを目視できた。

・29日(午後)
岩場が多く魚の隠れ家となるところが多い。
今までで一番水が澄んでいた。
暖かい水が入ってくるところは濁っていた。
目視でアカエイ、キンチャクダイ、ネジリンボウ。
魚の数が少ないように感じたが、これは同じところで数回の採集を行ったためであろう。

・30日(午前)
深い砂地に生物が少なく、浅い砂地に生物が多かった。

・30日(午後)
浮遊物が午前より増えた。
波が強くなり、透明度が悪くなった。
チョウチョウウオがあまり見られなくなった。



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